本日もお越し頂き、ありがとうございます
昨夏、小次郎さんに
菱藻エリアの釣りに連れて行ってもらってから
ずっと雷魚を釣り上げる日を夢見てきた
昨年は、釣り上げることは叶わなかったものの
人生初の菱藻エリアでの釣りで
元気に菱藻を割って出てくる魚をこの目にし
バラシはしたものの、その手応えを
この手に味わうことができた
(昨年掛けたのはバスですが)
それ以来
自分の手で釣り上げたいという想いを胸に
約一年かけて準備をしてきた
タックルはもちろんのこと
ノットやフロッグのチューニング
そして、何よりも肝心な
マナーや心構えなど
皆様のブログや、実際に見聞きすることで
私なりに勉強をしてきたつもりである
釣るためのテクニックなどは
自分で試行錯誤しながら
積み重ねていくもの
あとは実践あるのみ
ということで
この夏、自分なりに試行錯誤しながらここまでやってきた
結果は出ていなかったが
不思議と焦る気持ちはなく
毎回、何かしらの発見があったり、失敗があったりで
一歩進んでは二歩下がるようなことを繰り返してきたが
なぜかそれがまた楽しくも思えていた
ポイントに関しては
昨年、小次郎さんとご一緒した場所
(間違いなく雷魚が居る場所)
それと新規開拓の両面で考えてきた
新規開拓に関しては難攻を極め
少なくとも30ヶ所以上の場所を探し歩いたが
目ぼしいポイントを見つけられず今に至る
いつもの場所で釣るのが早いか
それとも新規開拓した場所で釣るのが早いか
それは神のみぞ知る
だが新規開拓は継続してやっていく必要がある
現在のように毎年釣り場が減っていく中では
それをしなければ未来はない
前の記事で、近づいているのか、遠のいているのか
それすらも定かではない、と書いたが
私の中では、着実に前進していると感じてはいた
記事にはしていないが
先日、小次郎さんと同行した折
初めて〝魚が付いた〟ことを実感することができ
さらに一歩前進した気がした
魚が付くというのは、こういうことなのか・・・
それが分かるようになると
それまでぼんやりとフロッグを引いていたのとは違い
食わせることを意識するようになってきた
なんとなく、そろそろ釣れる
そんな予感はしていた
その時は突然、何の前触れもなく訪れた
直前に、いい出方で出たものの
ミスバイトでフッキングには至らないバイトがあり
少しだけ、ほんの少しだけ、また何かが分かった
その一投に倣って、同じように中空フロッグを引く
同じ個体のセカンドバイトを狙ってみるが反応がない
少しだけ横に移動し
やはり先程と同じようにフロッグを引いていた
その時・・・
ザンッ!!! ザシュッ!!!
突如、菱藻が割れ
左を向いたその魚体を空中に全て顕わにし
中空フロッグを突き上げ、右から左に
1m近く横っ飛びに飛ぶのが見えた
それとほぼ同時に、反射的に右斜め後方に
思いっきり体ごと仰け反らせるようにフッキングすると
自分でも驚くほどキレイにフッキングが決まった
幾度となく頭の中でシュミレーションしていたような
重みを感じてからのフッキングではなく
無意識の内に体が反応した即アワセだったが
運良く、奇跡的にドンピシャのタイミングで
カウンターパンチが入ったかのようなフッキングだった
その直後、大きな水しぶきが上がり、水面を大きく叩いたかと思うと
一転、びっしり生えた菱藻の中に潜り込み
トルクフルなヘッドシェイクを繰り返す
これが雷魚の引きなのか・・・
〝強烈〟の一言に尽きる
必死で竿を握り、ハンドルを回転させてラインを回収しようとするが
思うようにいかない
巻き取っては、仰け反り、ポンピングで手繰り寄せる
雷魚そのものの重量と、その抵抗
それにも増して藻ダルマになった塊を引き寄せるのは
容易いことではない
ガイドに当たるPEラインがキンキンと鳴っている
視覚から伝わる情報と、耳から伝わる情報によって
自分で掛けた初めての雷魚とのファイトの緊張は高まる
ロッドは大丈夫なのか、ドラグは締まっているか、ラインは、ノットは・・・
テンションを保ちながら、ラインを巻き取りつつ
頭の中では同時に色々な事を考える
徐々に藻ダルマが近づいてくる
一瞬、顎の下から腹部辺りの白っぽい色が見えた
ん? 鯰か? いや、雷魚に間違いない
岸まであと5mくらいか・・・
さて、そろそろランディングの体勢を・・・
足場は1mくらいの高さの垂直な護岸
抜き上げるのはちょっと危険か
ここは慎重に行こう、ということで
足場を斜めの護岸ブロックに移動する
ようやく岸際まで寄ってきたが、ここでも激しい抵抗を見せ潜ろうとする
それをどうにか堪え、ラインを素手で手繰り寄せる
ここで走られたら、手が切れてしまう恐れはあるが
そんなことを言っている場合ではない
構わずラインを手繰り寄せ、顎の下に手を入れ
無事ランディング成功
やっと会うことができました
自分が釣り上げた人生初の雷魚
愛嬌たっぷりの表情だが
どこかしら威厳を携えた威風堂々とした面構え
蛇を思わせるその頭の形
スネークヘッドと言われるその所以
年齢を重ね、体色は黒ずんだ色に変色し
若かりし頃の色鮮やかな模様は背中部分に僅かに残すのみ
きっと幾多の困難を乗り越え、今日に至ったに違いない
もっと眺めていたい衝動に駆られたが
一秒でも早く、元居た水に返してあげたい一心で
撮影もそそくさと済まし、そっと水に返すと
元気良く水面を一蹴りし、水の底に消えていった
撮影を手伝ってくれた小次郎さんに
「ありがとうございます!!」 「まじで嬉しいッス!!」
の言葉を繰り返し、繰り返し、何度も何度も口にした
「俺も、君の初魚に立ち会えて嬉しいよ」 と小次郎さんは言ってくれた
この日、小次郎さんは、なんとしてでも私に釣らせたいと思っていた様子で
それがヒシヒシと伝わってきていただけに
その想いに報いることができたことも
より一層嬉しいものになった
それからしばらくの間、放心状態に陥り
その後、達成感や満足感が怒涛のように押し寄せてきた
地面にどっかりと腰を下ろした私は
何度も何度も同じシーンを頭の中で反芻し
そこから動くことも忘れ、余韻に浸っていた
帰宅してからも、今現在もなお
昨日の余韻からまだ抜け出せないでいるが
ようやく辿り着いた人生初の雷魚は
色々と感慨深いものがある
非常に厳しい状況に置かれている雷魚、そして雷魚釣り
生息環境の激減、外来魚問題、釣り人同士の暗黙のルールなど
色々とややこしい問題を抱える釣りではあるが
それと同時に、たいへん魅力的で楽しい釣りでもある
私自身、今年初めて本格的に挑戦し
ようやくこの一尾に辿り着いたのだが
ただ単に釣り上げることよりも
そこに至るまでのプロセスを、ここまで楽しめた釣りは
今のところ他にはない
専用のタックルを準備するところから始まり
フロッグのチューニング、ノットの勉強や練習
道具のメンテナンス、ポイント探し
ポイントの(情報の)取り扱い
釣り方の考察、試行錯誤
ルールやマナーに至るまで
全ての行程を経て辿り着き
そして全ての行程を楽しんでやってきた
だが、ここに至るまでに
多くの方々から、色々な形で
応援や支援を受けてきた
そのことは決して忘れることはできない
それは物質的な支援であったり
助言であったり、激励であったり
形は違えども、応援してくれることに変わりはない
そんな皆様に、改めて感謝の意を表したいと思います
本当に、ありがとうございました
皆様のおかげで、至福の瞬間に出会うことができました
感謝しています
まだ、ほんの入り口に立ったばかりですが
これからも叱咤激励の程、よろしくお願い致します
益々精進していきたいと思います
~ あ と が き ~
後から思い起こすに
最初の一尾にしては上出来過ぎるくらいの
そこそこグッドサイズの雷魚だったのですが
早くリリースしてあげたい一心で
〝計測〟の二文字は全く思い浮かばなかった
その為、サイズは?と聞かれると困ってしまうので
そこは聞かないでやってください
数字での記録は残っていないが
〝何cm〟ということよりももっと大切な
〝私にとって生涯忘れえぬ一尾〟
になったことは
言うまでもない