釣り初め

simesaba

2012年01月09日 13:29





この冬は

例年以上に寒さが厳しいような気がし(体感的に)

日常生活には少し辛くも感じられる

だが、こと釣りのこととなると

寒かろうが辛かろうが

行きたくなるのだから困ったものだ

(本当はまったく困っていないが)






冬の釣りは

数こそ期待できないが

釣れれば大物が釣れる

過去数年の私自身の経験からも

それは紛れも無い事実ではある

だから尚更

寒かろうが辛かろうが

行きたくなるというもの

今回もそんな期待を胸に

小雪舞う琵琶湖へ

今年の釣り初めに足を運んだ






誰も居ない浜を

ポイントに向けて歩を進める

波の音以外は聞こえない静寂の中

ザクザクという砂を噛む足音とその感触が心地よい

時折、帽子のつばにパラパラと当るものがある

霙交じりの小雨が寒さをより一層感じさせる

風はほぼ無風に近いが

たまに北西からの風が左頬をかすめていく

その冷たさは肌を切り裂くほどに鋭いが

今年の初釣行で気分が高揚しているためか

冷たさよりもむしろ心地よく感じられた

天空には満月に近い月が煌々と輝き

明るく湖面を照らす

時折、薄い雲が早い動きでその明かりを遮ると

たちまちに暗闇が戻ってくる

見ている分には美しい月夜だが

幾分明る過ぎる感がある

冷たく澄んだ湖水に月光が当ると

何mもの深さまで

照らし出されてしまうほどに明るい

釣りをするのには

いささかよろしくはないが

初釣りの気分を高める演出としては

いい脇役ではある






開始から約2時間

もうじき日付が変わろうとする頃

クク  クンッ

ようやく待望の今年最初の生命感が

竿先から伝わってきた

寒さに凍りついた身体ではあったが

即座に反応し、重みが伝わる

その重さからして、たいしたサイズではないのは分かったが

そこは今年最初の獲物である

獲り漏らしたくない一心で慎重にやり取りを続け

慎重過ぎるほどのやり取りの後に

ようやく今年初の魚を手にした
















サイズはたいしたことはないが

今年最初の魚に自然と頬が緩む

ありがとう、釣れてくれて






その後、すぐ

二度目のアタリがあり

一瞬乗ったがすぐに軽くなった

竿の入り方からすると

先ほどの魚より

はるかに大きかったように思うが

逃がした魚は大きいのが世の常

気を取り直してキャストを繰り返す






その後数時間

極寒の中、我慢の釣りを展開したが

まったく音沙汰なし



私には珍しく、この日持参した持ち弾を

全て使い果たしたが

結局答えは出ず

美しい冬の朝日を目にすることなく

琵琶湖を後にした






例年、釣り初めはボウズなのが恒例

それを思えば、一尾だけでも釣れたことは

幸先良い

そう思うことにして帰途に着いた






今年の冬は

一筋縄ではいかないらしい

というのは耳にしていたが

苦労するかもしれないと実感した

それにしても

この時期にまだ(もう?)

あのサイズの魚が釣れるとは思ってもみなかった

やっぱり今年の冬は

何かが違うようだ




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